1540 黒崎・マブノ鼻=姫路市家島町坊勢:坊勢島・高島(兵庫県)漁業の島の南端を遠く望めば


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 坊勢(ぼうぜ)島は、家島諸島の人が住む4島のうちではいちばん小さくて狭い。坊勢の本島は、形が崩れて失敗したクロワッサンのような形をしていて、その凹んだ部分が坊勢漁港となっている。漁港は島の北側奈座にも分かれてあり、こちらのほうには連絡線の桟橋もあるので、西の海に向かって開けている漁港のほうを西ノ浦とも称している。が、漁港としての規模は西ノ浦のほうが大きいように見える。

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 坊勢漁業協同組合のサイトによると、「瀬戸内海で唯一人口が増え続け、所属する漁師さんたちの平均年齢が日本一若い島」「漁業の後継者不足とは無縁の島」、それが坊勢なのだそうだ。組合員の平均年齢は51.2才(平成26年3月現在)、過疎に悩む他の島々とは違って、坊勢のこの平均年齢は自慢できるほど若いらしい。

 組合に所属する漁船数は約930隻、漁協組合員は512人で、兵庫県でも有数の漁獲高を誇る漁業の島では、島の約7割が漁業に従事しているという。

 船曳網、底曳網、磯端網、イサリ、巾着網、海苔養殖、釣堀などなど、漁業の名前を見ても聞いても、シロウトにはピンとこないが、この島が漁業の島であることは、おかげでよくわかった。

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 その西ノ浦の漁港に面した水道に、北から順に矢ノ島、ハタカ島、黒島、大コ島といった小さ目の無人島が点々と連なっている。これらの島の住所表示は、坊勢の一部となっているので、昔から坊勢島とひとまとめにされてきたのだろう。

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 西ノ浦からずっと南の端、クロワッサンのツノの端っこは、細くなりながら伸びていて、その先端が黒崎となる。

 ひたすら坊勢島の北側に位置する奈座の港に向かっていく坊勢航路の船が、矢ノ島の北側を通り抜けるときと、帰路の船から遥かに南を望めば、かろうじて黒崎の姿は捉えることができる。だが、その距離は矢ノ島から黒崎までは2.5キロも離れている。

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 高さは10〜20メートルくらいの、細長い岩の崖が取り巻く出っ張りが黒崎のようだ。

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 そして、船の位置が移動するにつれて、そのさらに向こうにある大きな島影が黒崎のバックに控えるようになる。

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 これが最高点では100メートルを超える高島で、オタマジャクシのような形をして南を向いている島の南端がマブノ鼻になる。黒崎からマブノ鼻までの間は1.7キロ離れている。この高島も、坊勢島と同じ地名表示になっていて、坊勢領域内であることを主張しているが、周囲を断崖に取り囲まれた島で、浜も平らなところもなく、船を寄せることもできそうにない。

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 その南端に、マブノ鼻という名がついたのは、もっぱら航行する船の目印のためではなかっただろうか。
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▼国土地理院 「地理院地図」
34度38分9.07秒 134度30分55.22秒 34度37分47.64秒 134度29分55.37秒
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dendenmushi.gif近畿地方(2018/10/10 訪問)

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