830 夢ヶ崎=下関市豊北町大字角島(山口県)「本州最西端」は日本海側で初の洋式灯台があるココです

ツアーバスが角島大橋を渡り、島の真ん中を横断してやってきたのは夢ヶ崎。「夢」という字を岬の名前に使うのもめずらしいと思うが、その由来はよくわからない。

岬の先端の背の低い緑の多くが、ハマナスの植栽であることは、後で下に降りて岬を回ったときに初めてわかったが、それらも地元の人たちが、熱心に手入れ管理をしているようだ。

このときも、数人の年配の女性たちが集まって、作業をしていた。こういう島では、近隣の共同体は生きていくうえでの中心になるものであろう。

先に、「826 神田岬」の項 で、本州最西端は下関市南部の毘沙ノ鼻のほうが神田岬より経度は西寄りにあると書いていた。だが、実は毘沙ノ鼻よりもさらに西に位置する陸地の端は、角島の夢ヶ崎になるはずだ。といっても、夢ヶ崎そのものは北北西に向いているが、そのすぐ南側にある出っ張りは、西へ向いている。
そこが、東経130度50分17.42秒なので、本州最西端は角島の最西端ということになる。

ところで、角島って島でしょ?
それでも「本州最西端」っていえるのかしらん。
確かに、これは、ちょっと問題。
元々は立派な島だったところに、橋が架けられて本土や本島と陸続きになる。そうなるともう、その島は「島」とはいえないのではないか。

自動車はスイスイと渡ってくるが、それまで営業していた渡船は廃業せざるを得なくなる、フェリーも商売は成り立たなくなって、航路は廃止に追い込まれる。
アクセスの上では船が自動車に変わるだけで、便利になるならそれもやむを得ないのだろうが、こういう事態は、いま全国あちこちで多発している。それでも、こうなってもやはり島は「島」だろうか。少なくとも、「立派な島」とは言えないようだ。
ウィキペディアでは、「島」について、次のように言う。
「地理学上、日本の領土はすべて島から成っている。日本は6,852の島で構成される島国である。国土交通省は、日本列島を構成する6,852の島に対し、北海道・本州・四国・九州・沖縄本島の5島を「本土」、これら5島と橋などで繋がっていない6,847島を「離島」とし、2つの区分けを設けている。
おやおや、これは大問題発生!
「5島と橋などで繋がっていない」のが「6,852 − 5 = 6,847」というのだが、では「橋などで繋がっている」島は、どうなるのか。
この表現だと、繋がっている5島のどれかに含まれてしまい、離島には含まれないことになる。
日本の島が、本土・本島と離島しかないとなれば、橋で繋がるということは、そのとたんにそれは「本土または本島の一部に過ぎず、「島」ではなくなるのだ。
念のために国土交通省のページ「島の基礎知識」で調べてみたが、「日本は6,852の島嶼により構成されています。 このうち本州、北海道、四国、九州及び沖縄本島を除く6,847島が離島です。」と、同じことが書いてある(というより、こっちのほうが元の情報源なんだろうね)が、肝心の「橋で繋がる云々」の記述がない。
だが、ここでも「6,852 − 5 = 6,847」という引き算の算式が、ギモンの余地をはさみこませない。
やっぱり、島は橋で繋がると島ではなくなる、というのはホントらしい。
したがって、堂々と言えます。
「本州最西端」は、ココ!!

▼国土地理院 「地理院地図」
34度21分16.74秒 130度50分25.78秒




この記事へのコメント
神社に狛犬はいましたでしょうか?
また遊びに来ます!!
でんでんむしくらい古くなると、若い頃に履歴書を書くのがそりゃもう大変でした。なんせ、コクヨの横書きのペン書きの履歴書が認知される前でしたから、半紙に毛筆で書かなければならないのです。
何枚も失敗して、やっと書き上がるかという最後に、「賞罰 なし」のところで失敗! またはじめから書き直し…(+.+);。
そんなことをやっておったのです。
こういうときは職務経歴が少ないほうがよい…。
お仕事の合間に、また遊びに来てくださいね。
“賞罰なし”のでんでんむしでした。