827 本場鼻＝下関市豊北町大字神田（山口県）なんだかんだと言いつつ響灘と日本海を分けてしまう
本州最西端ではないが、本場鼻のある出っ張りは、響灘と日本海を分ける岬といえる。といっても、海の上や海の中に線が引かれているわけではないし、水もひとつにつながって動いているので、響灘と日本海をあえて線引きして分ける必要などないことだろう。
だが、地図に響灘と明記してあるのを見ていると、どこまでが響灘で、どこからが日本海なのだろうかと、思わざるを得ない。“ソボクなギモン”というやつである。
ツアーのバスは、和久を過ぎ特牛（こっとい）の港付近から北へは、191号線を離れて海岸より少し離れた山の中を走るので、附野というところまで来て、海が見えてくる。そこは、角島（つのしま）大橋のたもとで、本場鼻はそこからよく見える。
前項の神田岬は、豊北町大字神田上だったが、特牛付近から本場鼻までは、南北約6キロ以上はある一帯が、全部「大字神田」で、「上」が一字取れただけである。「神田上」も結構広かったので、この付近の大字地名の区切りは、かなり大雑把に仕切られている。これにより、この地域の小字名は、切り捨てられることになったが、地図上ではまだかろうじて残っている。
本場鼻の出っ張りはふたつの突端に分かれていて、すぐ東側には折紙鼻もあるのだが、それはここからは見えない。その北側は油谷（ゆや）湾の湾口となる。
岬の手前には、島戸浦という集落があり漁港があるが、50メートルくらいの丘に囲まれたこの地形も、歩いてみたくなる。二つの岬までの道はないが、その手前の丘には登ることができそうなので、そこからこの岬二つを一目に眺めてみたい。
それは可能であればまたの機会に、ということで、今回の便乗ツアーではこの日の目的地のひとつ角島へ渡る。本場鼻は、そのついでに眺めることができただけでも、おおいにヨシとしなければならない。ツアーのバスだからここまでこれたけど、路線バスは走っているのだろうか。それが、大問題。でも、どうやら特牛からのバス路線があるらしい。
本場鼻の西の海上700メートルくらいのことろに、頼りなげに浮かんでいるのは、伊瀬と名がついた岩島である。地図には灯台マークもついていて、肉眼でもそれはなんとか確認できる。本場鼻からこの島を経て、角島の北部を結ぶラインが、響灘と日本海の境界と言っても、ほぼ問題はないであろう。
本場鼻を眺めるのに格好のポジションは、駐車場と売店、展望台なども設けられているのだが、そのためにできたわけではない。ここは角島大橋の本土側のたもと、フツーの観光客に橋の景色を楽しんでもらおうとできたもので、本場鼻はついでに目に入るだけの話…。フツーの人にはその名前も意識にはあるまい。
ここから西に2キロ弱の正面に見えるのは角島。“かどしま”ではありません、“つのしま”です。響灘の北端にある、犬のおもちゃのような形をした島は、二つのツノのようにも見える。この島へは、橋で直接渡ることができる。
海を渡るこの立派な橋は、無料で通行料はいらない。
▼国土地理院 「地理院地図」
34度21分44.67秒 130度54分4.85秒
中国地方（2012/05/29 訪問）
この記事へのコメント
渡ると気持ちいいでしょうねー（＾＾）
この橋、自転車に乗って勢いよく下っていったら、風をあびて海に向かって、すごく気持ちがよさそうです。
でんでんむしには、記憶がないのですが、この橋を渡る自動車のCMって、覚えあります？
確かにいかにも気持ちよさそげですね。
今日の項目で、人のことは書きましたが、自転車のことは書いてなかった…。どちらにしろ、よくわからないのですが、歩道はなく自転車レーンもとくにありません。