823 笠松ノ鼻=下関市豊浦町大字小串(山口県)ついでに勝手に便乗しただけなのだから文句もゼイタクも言ってはなりませぬ…

ツアーのバスは、もちろん岬めぐりを意識しているわけではない。ただ、単に、岡山・倉敷から始まって、尾道から広島へ。そこで一泊して、厳島神社から山口県に入り、錦帯橋を経て関門海峡へやってきて、門司で一泊、というコースでここまできた。だが、広島は地元(元地元?)なので、一行とは岡山から一時離れていた。
岡山にも山口にも、まだめぐらなければならない岬も多くあるのだが、このコースを走るバスは、尾道と宮島を除けば、あとはほとんど山の中なのである。山陽新幹線など、大半はトンネルの中を走っているようなもので、せっかくの瀬戸の風景を車窓から楽しむことは望めない。

ツアー三日目のバスは、門司から関門橋を渡って、山口県の西を回って日本海側に出て、萩までのコースを辿る。
このコースで、山口県の西の響灘沿岸、そして北の日本海沿岸を通ることになるはずだが、はたしてどのくらいの岬をめぐることができるのかどうか、お立ち会い。さて、どうでしょうね。
もともとそれが目的でもなんでもないうえに、ドライバーもプロとはいえ地元民ではない。おまけに、定期便やあらかじめ運行ルートが決まっている路線バスでもない観光バスは、こういう場合、どこをどう走るのか、乗っている乗客には次の目的地以外はほとんどブラックボックスに放り込まれたようなものだ。
関門橋を渡ってから先、どこをどう走ったのか、さっぱりわからない。わからなくても、黙って乗っていれば、とりあえず計画どおり予定どおり、バスは走って行くから、任せておけばいい。
そう考えるのが、まあ普通だが、なかにはフツーでない客も混じっている。
下関の響灘に面した南の海岸にも、いくつかの岬があるのだが、北浦街道と呼ばれる191号線を走れば、そのいくつかは眺めることができるかもしれない。
そんな期待もあったのだが、バスは関門橋を渡るとそのまましばらく中国自動車道を走って、それから山と畑の中の道を、くねくねとかなり長い時間走った。

どうやら下関南部の海岸は、全部すっ飛ばして、まっすぐ北上を続けたらしい。
いきなり少し高所から海とそこに面した平地が遠望できたと思ったら、またすぐに見えなくなってしまった。
どうやら、川棚温泉の手前かあるいは過ぎたところらしいが、結局よくわからない。その次の駅が小串で、ここは地図で見ると海にずっと近寄るはずなのだが、なかなか見えない。

次に海岸に出たところで、やっと見えた岬の最初はここ笠松ノ鼻だった。すでに笠松ノ鼻の出っ張りを通り過ぎていて、その北側の海岸から南に岬を振り返る形になった。


地図では、この岬の沖には、竜宮島・女島などの島が記載されているが、写真には写っていない。晴れてはいるはずだが、海の上は微妙にどんよりとしている。笠松ノ鼻には、コウモリ洞窟もあるというし、その北側の海岸も棒状の岩がいくつも続いた珍しい地形なので、次の機会にはもう少しそばまで寄ってみたいが、今回はついでの、ツアー便乗の岬めぐり。
この先も、決して、文句やわがままや、ぜいたくを言ってはなりませぬぞ。
▼国土地理院 「地理院地図」
34度10分43.71秒 130度55分34.62秒




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