706 神威岬=積丹郡積丹町大字神岬町(北海道)神の領域は人また人の列に占拠されていた
いやー、人が多いなァ。駐車場は車でいっぱいだし、観光バスも7台も停まっているし、そこらじゅう人があふれている。こりゃとても“神の領域”なんぞではありゃしない。こんなに人の多い岬は、これまでほかにあったかしらん? なかったと思うなぁ。
一人旅らしい女性から、カメラを差し出されて、シャッターを押して欲しいと頼まれた。もちろん、お安い御用。快く引き受けたが、岬を背景に入れるとどうやっても人の姿が入ってしまう。なるべく人が写らないように撮るのはムリである。
なにしろ積丹半島は、余市から大江を通って共和へ抜けたことはあるが、海岸線を回るのはこれが初体験のでんでんむしにとっては、どちらかというと神威岬
よりは半島の北端にあたる積丹岬のほうがメインではないかと考えていたのだが、実際にきてみるとまったく逆で、積丹半島の岬といえば、まず神威岬のほうがチョー有名、ということらしい。
中央バスも、岩内バスターミナルから神威岬のルートで、大型観光バスタイプの車両を一日2往復走らせているほか、小樽からも日に5便、札幌からは1便だけ高速バスを往復させている。
神威岬は、二系統のバス路線の始発点&終着点になっていて、ここを通しで走る路線はない。公共交通機関は中央バスだけだが、229号線をクルマを飛ばしてくれば、誰でも簡単に訪れることができる。標高100メートルくらいの岬の付け根まで229号線から入ったところには、広い駐車場があり、レストハウスがある。そこからは、擬木の柵で囲まれた狭い遊歩道を、ひたすら突き進んでいけば、岬の先端に到達できる。
駐車場から灯台までは1キロほど、多少の上り下りはあるが、高さ60〜80メートルくらいの馬の背は、大きな樹木はなく低い潅木で覆われた岩場が、海の中に延びている。
この岬にだけこんなに人が集る理由は、神威岬の立地のよさと、そしてもちろんその景観のよさがあるのだろう。
ドライブでクルマの中に閉じ込められていた身には、多少のアップダウンもいい運動になる。みんなぞろぞろとつながって、アリンコの行列よろしく、せわしなく切れ目なく往復している。
細く長く、海に向かって突き出た尾根の左右は、数十メートルの下にシャコタン・ブルーの海が広がる…はずであった。
ところが、この日はあいにくの空模様で、空も海も冴えない。
おまけに先端の灯台へ向かう遊歩道は、接触事故を起しそうなくらいの混雑で、逃げ場も横道に逸れるわけにもいかない、なにもない一本道。
人が大勢集るようなところは、なるべくなら敬遠しておきたいへそまがりでんでんむしとしては、とてもうれしい状況ではない。
そういえば、この日は夏休み前の三連休の中日にあたる日曜日だったのだ。そのことを、ここへ来てやっと思い出した。
神威岬とは、また機会を改めて対面し、もっとシャコタン・ブルーが楽しめる、お天気にも恵まれたときの早朝にでもやってきて、ゆっくり歩いてみたいものだ。灯台や神威岩は、今回は遠景だけにして、次の機会にとっておくことにした。
そう決心して途中からくるりと向きを変えて戻る途中、はるか下の海岸線に小さなトンネルがあり、念仏トンネルと呼ばれるそのトンネルにまつわる灯台守の家族遭難の悲劇とトンネルの由来を語るプレートが埋め込まれてあった。
ところが困ったことに、その説明がどう考えても、どうにも腑に落ちないで、合点がいかないのである。
積丹観光協会のウエブサイトによると、2011/10現在、下記のような注記があった。
平成23年9月の台風の影響による大雨で先端までの遊歩道が崩れ
ご利用できなくなっております。
女人禁制の門、右手また右から上がっていきますと先端部分を見る
ことができますのでご利用下さい。
43度20分0.14秒 140度20分50.96秒




この記事へのコメント
これまでの岬と比べても、大きさが段違いです。
せっかくの神威岬、曇り空が惜しかったですね。
ここではうじゃうじゃっと(笑)
ゆっくりと落ち着いて見学できずにちょっと
残念でしたね。
お天気はどうしょうもないので、またの機会ですね。