532 観音崎・久万地崎=土佐清水市下ノ加江・久百々(高知県)あれもこれもなぜ…

四万十川の河口の手前から、バスは山の中へ向かって行く。小さな分水嶺が四万十市と土佐清水市の境界線になり、その下をトンネルでくぐり抜ける。
東の海岸沿いは、この付近の特徴にしたがって、断崖絶壁がでこぼこと続く。地図でみると、途中までは高いところを細い道路が通っているようだが、やはり海岸沿いの道はほとんどない。
ここにも、大焼崎・小浦崎・在岬・布崎という岬があるが、バスはそこを避けて、山を越えて走る。トンネルを越え、川に沿って下ったところが、下ノ加江で、河口を隠すように南に向かって出っ張っているのが観音崎である。

観音崎は、同名の岬が全国に35もあって、堂々の第3位(「データベース」参照)。「観音岬」「観音鼻」を合わせると42件になって、第1位に迫る。観音信仰の広がりを思わせるが、そのほとんどが西日本に集中しているのはなぜだろう。

ここの観音崎は、卵形の島が陸地にくっついたような形をしている。
平べったい出っ張りの周囲は岩で囲まれているようだが、川と集落を隔てているので、バスの車窓からは、ほとんど単なる山のようにしか見えない。
岬の西側には砂浜が広がっているが、ここも人家の間を通るバスからは見えない。

やっと砂浜が見えたかと思ったら、もう観音崎は視界から遮られていた。
その少し南に、久万地崎という表記が地図には記されている。


ここもそれらしきところは、わずかに海岸の岩場が、ちらりと見えた程度であった。
四国の最西端に位置する土佐清水市は、足摺岬を末端とする「T」の字を45度に傾けたような形をしていて、交通網は中村から大月を経て宿毛に向かう道路321号線が通っている。この道を、高知南西交通という会社のバス路線が走っているが、中村と宿毛の間を土佐清水が中継し、足摺岬へは東海岸回りと西海岸回りの路線が半島をめぐっている。
岬の付け根西側に土佐清水の市街地と港があるが、ほとんどは山ばかりで、その間に狭い平地が点在する。
ところで、「下ノ加江」というからには、「上ノ加江」がないとおかしかろうというのは、でんでんむし的こだわり。これが、ちゃんとあるんだね。
あるにはあるが、これがまた悩むネタを増やしてくれる。
「上ノ加江」は、ここから北北東に直線距離で57キロも離れた中土佐町にある。
それはいったい、なんで、かえ…?
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