
また、乗客はただ一人だけという貸切り状態のバスで、運転手さんに確認して、大口の集落を抜けたはずれのなるべく海岸に近いところで降ろしてもらう。
バスは266号線を東へ進んできたが、ところどころ大きな広い道からそれて、曲がりくねった細い道に入って家々の間を縫うように走る。が、それでも乗る客は少ないようだった。



この海は、もう八代海なのだ。海岸の道をてくてく歩いていくと、いくつかの名のない出っ張りもあり、島もあり、干潟もここらではまた復活しているようである。一応は、ビュースポットにするつもりだったのか、観音岬のところにだけ、道路際にヤシの並木ができている。

宮崎のマネをして、あちこちでヤシの木を植えるのが流行ったらしいので、これもそうかも知れぬ。だいたいのところ、そうしたヤシは、葉が茶色に枯れてきたなくだらしなくなっている。でも、梵天のようにすっと立って葉が先っちょにだけちょこんとついているここのヤシの木は、葉が青くなんとなく木も生き生きとしているようだ。

その謂れはよくわからないが、ここが名実ともに観音岬である証拠には、岬に上っていくと小さな観音堂が鎮座している。そこからは通せんぼがしてあって、岬の先までは行けなかった。
さらに東へ進んだところから見た観音岬は、こんな感じ。広く干上がった砂浜では、二人の人影があった。これがバスを降りて以来、通り過ぎる車に乗っている人を除けば、初めてみる人の姿だった。

いずれいつか天草の岬に行くときには、またここ三角を通ることになるだろう。
天草の島に面した瀬戸にあった西港と、JR三角駅のある東港と、町の中心は分かれているようだが、橋が直接本土と天草の島々を結ぶようになってから、港の役割は減ったのであろう。



東港のフェリー乗場も閑散としており、“燈台のある駅”という看板を掲げた駅周辺も静かであったが、唯一賑わっていたのが新港の岸壁で、多くの人が釣り竿を出していた。小ぶりのきれいな魚がたくさん釣れていたので、なんという魚ですかと聞いてみると、なにやら聞いたことのない妙な名前で覚えられない。それと察した釣り人は、「“ままかり”といったほうがわかるかなあ」と言った。うん。それならわかる。といっても、その名と、その名前がつくことになった訳を話で聞いているだけに過ぎないのだが…。
▼国土地理院 「地理院地図」
32度37分24.21秒 130度35分13.52秒

ラベル:熊本県


熊本はもとより九州にも行ったことがないのだから、どこも未知の世界なのですが、一連の画像で見るとずいぶんと個性差のある土地柄なのですね。
不知火では、地形からその一面に迫ってみましたが、どうでしょうか。