216 羽豆岬=知多郡南知多町大字師崎(愛知県)こんなハズではなかったに…
「伊良湖行きのフェリーは19日まで運休です。」
そ! そんな! バナナ…! さぶいギャグも凍りつくところだが、そのときにはそんな余裕はなかった。
駆け込んだ待合室は人も少なくがらんとしており、伊良湖行きの表示もない。あれ、場所を間違えたはずはないのにと思いながら窓口に行くと、そこには現おねえさんがいて、彼女に聞くとこともなげにそういいはなったのだ。
一瞬、計画をあれこれ立てていたときのことが、頭の中をザザ?ッと駆け抜けた。
そういえば、最初にホームページを見たときに、どこかにそんな小さな記述があったような気もしたが、後で行く直前にまた計画を確認したときには時刻表だけのページしか目につかなかった。それに、同じ名鉄なのに河和の駅にもそんな注意を促すような表示は目にしなかった。第一、バスの切符売り場の元おねえさんは、フェリーの時刻表まで確かめたうえで、間に合うといってくれたではないか。
だが、しょせん繰り言である。ええっ、これからまた来た道を戻って豊橋から伊良湖へ行くことができるのだろうか? ここで行き倒れになってしまうのだろうか?
棒立ちになって、途方に暮れる一瞬。“固まる”というのは、こういうときのことなのだろう。
そこへ窓口の現おねえさんは、助け船を出してくれた。
「今、篠島行きの高速船が出ます。それに乗れば、篠島乗換えで伊良湖へ接続できます。あと30秒!」
「それっ、お願いします!」
すると、すかさずマイクを取りあげると叫んだ。
「♯※
§¶△?◇!!」
桟橋を離れんとする船に、まだ一人乗るから出港を待て、と指示を出してくれたのだ。
この現おねえさんの敏速にして的確な対応によって、ロープを係の人が引っ張って待っている篠島行きの高速船に、なんとか滑り込むことができたのであった。




そんなわけで、羽豆岬はこの船のひどく汚れた窓越しに、どんどん遠ざかっていく師崎港と岬の姿を眺めるのみになってしまった。だが、あわや間一髪のところで、大変な事態に陥るところを、なんとか回避できたので、文句はない。
責任はすべて自分にあるのだが、そこで反省と教訓。計画は出発前にもう一度よく確認しましょう。
河和のバスの切符売り場の元おねえさんを、責めるつもりは毛頭ないが、名鉄のフェリー運休についての告知態勢が、充分だったとは決して言えない(ネット情報掲示の仕方を含めて)。「もともとうちはカーフェリーなので、電車やバスに乗ってやってくる客など相手にしていないのだ、だから駅にもバス乗り場にも周知しなかったのだ」といわれればそれまでなのだが。
もし、元おばさんの後からもたもたとバスを降りていたら。もし、羽豆岬のほうに先に登っていれば。
まさしく、旅も人生も「タラとレバのてんこもり鍋」だ。
FAXを送るミスで肝心の情報を送らなかった東京都、年末年始の休みに入るとこだったから当然だと対応の遅れを恥じることもない千葉市、もともと送られてくる書類ひとつ見ても事務能力の低いことが一目瞭然の社会保険庁・社会保険事務所でなくとも、こんな事例はそこらじゅうの官庁や会社にゴマンとある。いかに「自分の仕事をちゃんと理解してきちんとやれている」ことのほうが少ないか…。
そんななかで、改めてこの日のことを思い出すと、あの現おねえさんの仕事ぶりは立派なものだった。
▼国土地理院 「地理院地図」
34度41分46.15秒 136度58分20.49秒

東海地方(2007/12/17 再訪)
そ! そんな! バナナ…! さぶいギャグも凍りつくところだが、そのときにはそんな余裕はなかった。
駆け込んだ待合室は人も少なくがらんとしており、伊良湖行きの表示もない。あれ、場所を間違えたはずはないのにと思いながら窓口に行くと、そこには現おねえさんがいて、彼女に聞くとこともなげにそういいはなったのだ。
一瞬、計画をあれこれ立てていたときのことが、頭の中をザザ?ッと駆け抜けた。
そういえば、最初にホームページを見たときに、どこかにそんな小さな記述があったような気もしたが、後で行く直前にまた計画を確認したときには時刻表だけのページしか目につかなかった。それに、同じ名鉄なのに河和の駅にもそんな注意を促すような表示は目にしなかった。第一、バスの切符売り場の元おねえさんは、フェリーの時刻表まで確かめたうえで、間に合うといってくれたではないか。
だが、しょせん繰り言である。ええっ、これからまた来た道を戻って豊橋から伊良湖へ行くことができるのだろうか? ここで行き倒れになってしまうのだろうか?
棒立ちになって、途方に暮れる一瞬。“固まる”というのは、こういうときのことなのだろう。
そこへ窓口の現おねえさんは、助け船を出してくれた。
「今、篠島行きの高速船が出ます。それに乗れば、篠島乗換えで伊良湖へ接続できます。あと30秒!」
「それっ、お願いします!」
すると、すかさずマイクを取りあげると叫んだ。
「♯※
![[いい気分(温泉)]](https://blog.seesaa.jp/images_e/147.gif)
桟橋を離れんとする船に、まだ一人乗るから出港を待て、と指示を出してくれたのだ。
この現おねえさんの敏速にして的確な対応によって、ロープを係の人が引っ張って待っている篠島行きの高速船に、なんとか滑り込むことができたのであった。




そんなわけで、羽豆岬はこの船のひどく汚れた窓越しに、どんどん遠ざかっていく師崎港と岬の姿を眺めるのみになってしまった。だが、あわや間一髪のところで、大変な事態に陥るところを、なんとか回避できたので、文句はない。
責任はすべて自分にあるのだが、そこで反省と教訓。計画は出発前にもう一度よく確認しましょう。
河和のバスの切符売り場の元おねえさんを、責めるつもりは毛頭ないが、名鉄のフェリー運休についての告知態勢が、充分だったとは決して言えない(ネット情報掲示の仕方を含めて)。「もともとうちはカーフェリーなので、電車やバスに乗ってやってくる客など相手にしていないのだ、だから駅にもバス乗り場にも周知しなかったのだ」といわれればそれまでなのだが。
もし、元おばさんの後からもたもたとバスを降りていたら。もし、羽豆岬のほうに先に登っていれば。
まさしく、旅も人生も「タラとレバのてんこもり鍋」だ。
FAXを送るミスで肝心の情報を送らなかった東京都、年末年始の休みに入るとこだったから当然だと対応の遅れを恥じることもない千葉市、もともと送られてくる書類ひとつ見ても事務能力の低いことが一目瞭然の社会保険庁・社会保険事務所でなくとも、こんな事例はそこらじゅうの官庁や会社にゴマンとある。いかに「自分の仕事をちゃんと理解してきちんとやれている」ことのほうが少ないか…。
そんななかで、改めてこの日のことを思い出すと、あの現おねえさんの仕事ぶりは立派なものだった。
▼国土地理院 「地理院地図」
34度41分46.15秒 136度58分20.49秒


この記事へのコメント
良かったですね。