133 門脇崎=伊東市富戸(静岡県)城ケ崎ここは観光地だったねェ
「城ケ崎」というのは、昔から名前だけは知っていたけれど、行ったことがなかった。なんとなく、こういうところには近寄りたくないなと思わせるものがあったのかもしれない。それが何かは、よくわからないが、岬めぐりを標榜するからには、いちおうちゃんと訪問して、岬にカウントしておかなければならない。
名前からしてそのものなので、そういう岬があるのかと思えばそうではなく、「城ケ崎」はあくまでもこの一帯全体をさす呼称であるらしい。伊豆急の駅も「城ケ崎海岸」といっているが、これはいささか誇大表示・不当表示で、そこから海岸まで行く道を歩けば2キロ近くも離れている。
ここにある岬では、名前がついているのは「門脇崎」というのだけなのだが、それは「城ケ崎」という総称のなかに、すっぽりと隠れている。わずかに灯台が門脇崎灯台と、その独自性を主張している。
その灯台だが、ご覧のようにちょっとよくある灯台とは趣を異にしている。灯台というより、よく観光地にある展望台そのものである。事実、灯台の本来の役目をする明りの下にはガラス張りの展望室が設けれており、そこからは360度が見渡され、たくさんの人が登っている。燈光会の看板があったかどうかも、あたりがざわついていてよく見ていなかった。
ほんとに、ここは人が多い。そのほとんどがアベック…なんていうととたんにオジン扱いされる。どう違うのか知らないが、近頃ではカップルということになっているらしい。どっちでもいいが、土曜日の夕方とあれば、ドライブにやってくる人はこんなに多いが、それらがみんな岬めぐりの同好の士というわけではないので、ここはもう立派な観光地なのだ。
駐車場は車で溢れているし、ドラマの主人公を気取ってか、崖の上でじっと立っている人もいて、木立の間に見える吊橋にも、大勢の人がぶらさがっている。
改めて、ここが“火サス”や“木ミス”で毎度お馴染の、犯人最後の追いつめられ告白の地であり、ケーサツいったいなにしてんの、終わってからくんなよ状態の、ロケ地の代表的な場所でもあったのだと思う。
なんとなく避けたい気分がなんだったかは、吊橋をみて少しはっきりした。
昔はそれほどの高所恐怖症というほどでもなかったが、メニエール氏病と診断され随分長いこと耳鳴りとめまいに悩まされた時期があって、それ以来ほんのちょっとの高さでも、クラクラとしてしまう。吊橋なんて論外である。だから、こんなところには近寄らないが、この吊橋も門脇という名前がついている。吊橋だけでなく高い灯台のようなところでもそうだが、この門脇崎灯台ほどではなくても、周囲に囲いやガラスやしっかりした柵があれば、まだましなのだが、足下がスケスケだと…。
日も暮れかかってきたので、先を急がねばならない。ついでにこの南の日蓮崎にも行きたいところだ。遊歩道があるはずなので、そこを歩くつもりが、車と人に追い立てられるようにして歩道の入り口を通り過ぎ、また車道を歩く羽目になった。
34度53分24.62秒 139度8分18.36秒


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