1292 竜燈崎・弁天崎=鳳珠郡穴水町字前波(石川県)いいかげんな車窓写真にも人知れぬ苦労があるのだよ

 宇出津から鵜川までは国道249号線で南へ下ってきたが、鵜川からは国道から県道34号線でさらに南下する。鵜川を流れるのは鵜川ではなく山田川だが、その南に100メートルに満たない尾根が海岸まで延びている。その南に流れるのが太田川で、尾根の上を能登町と穴水町の境界線が通っている。 バスは穴水の駅を経由するものの終点はその先の病院で、こういう…

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1291 小倉崎=鳳珠郡能登町字七見(石川県)宇出津が中心となる能登町の岬はここまでで次からは穴水町に

 北の端、尾ノ崎に始まった鳳珠(ほうす)郡能登町(ちょう)の岬は、南の端の小倉崎で終わる。この間、能登町内の岬は尾ノ崎から小倉崎まであわせて8つ。恋路の海岸から奥能登丘陵が九十九湾を抱えて大きく張り出した東北部と、町の中心である宇出津(うしつ=この読みはATOKからは変換無視されている。下の地図でも名前が出てこない。)の市街地をはさんで…

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1290 御舟崎=鳳珠郡能登町字小木(石川県)袖キリコが押し登る神社の南に三角に突き出た断崖は南港の岸壁から

 御舟崎は小木の最南端で、南西に向かって鋭角に突き出た岬である。その周囲はすべて20メートルくらいの断崖が垂直に切り立っている。その上は高くはないが、道もなく付近一帯には集落もない。岬の先端は、金剛崎からは700メートルも離れてはいないのだが、道と民家は金剛崎の先で崖にぶち当たって終わっている。そこから先は断崖。 溺れ谷でできた九十九湾…

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1289 金剛崎=鳳珠郡能登町字小木(石川県)小木港の南港で灯台防波堤と港のなかにもうひとつ船溜まりを囲う

 小木港でバスを降りたとき、まず向かったのが金剛崎と御舟崎が見える南港の岸壁であった。南港というのは、北と南と大きく二つに分かれる小木港の説明上便宜的に勝手に付けた呼び方なので、実際にどう呼ばれているのかは知らない。北港の岸壁はもう町並みと一体化していて、民家の前が広い道路兼漁船が横付けされたときの荷揚場になるようだ。 岸壁の端には漁協…

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1288 城ヶ崎=鳳珠郡能登町字越坂(石川県)九十九湾の漁火と灯台の灯りを眺めるYH初体験で目の前にある岬

 宮崎から内浦長尾を過ぎると、県道は真っ直ぐ南に下り、新保そして越坂(おっさか)の集落に入る。そこからまた北向きに変わるのは、九十九湾を大きく迂回していかなければならないからだ。 この越坂から西の真脇までの間には、市ノ瀬・小木・姫といった字地名を持つ町が、でこぼこと出入りを繰り返す海岸線に並んでいく。 「九十九」が「つくも」と読まれるよ…

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1287 宮崎=鳳珠郡能登町字白丸(石川県)地域情報がまったくなくて突っ込めない岬が多いがここも…

 立壁の城ヶ崎のある出っ張りは、字名では“立壁”のほかに“四方山”というのが東側にある。“よもやま”なんて、なかなかおもしろいのだが、それ以上に突っ込めないところがもどかしい。 その四方山の南が白丸の集落で、この南側に丸く突き出たのが宮崎である。 県道35号線が海岸に出てきたところからは、地形的には直径400メートルほどの半円が海に突き…

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1286 城ヶ崎=鳳珠郡能登町字立壁(石川県)民家が建て混んでいる岬は県道を通るバスからは見えなかった?

 赤崎のある小さな半島のような出っ張りと、それより一周り小ぶりだが相似形とまではいかないものの似たような出っ張りが、南北に並んでいる。その南の先端が、城ヶ崎になる。 そこは立壁という集落があって、岬の先端まで民家が建て混んでいる様子が地図からはうかがえる。その先の岩礁には灯台もあるようだが、どうやらその城ヶ崎そのものは、バスの車窓からで…

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1285 赤崎=鳳珠郡能登町字布浦(石川県)大きな歴史もあった小さい町の北東に伸びている岬

 尾ノ崎と赤崎、ふたつの岬に挟まれた湾に松波川が注ぎ込む河口の平地に発達した町は、松波村→内浦町→能登町(のとちょう)と変遷を経ながら、珠洲市の合併にも参加しなかった。現在では能登町の字にその名が残るのみで、赤崎のあるところは同じく内浦町を形成していた布浦も同様である。 能登町の中心は、役場のある宇出津町(うしつまち)のほうなのだが、尾…

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1284 尾ノ崎=鳳珠郡能登町字恋路(石川県)航路も鉄路も人の恋路も障害にはきりがなくたいていは…

 珠洲市の内浦海岸側の岬は、長手崎から以南以西にはひとつもない。鉢ヶ崎とか谷崎のような地名はあるのだが、大きく湾曲しながら南に延びた飯田湾岸には、蛸島の辨天島や鵜飼の見附島、それに恋路ヶ浜といった海岸で目立つところがないわけではないが、いずれも岬ではない。 珠洲湾ではなく飯田湾と名がついているのは、珠洲市ができる前には今では市のひとつの…

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1283 長手崎=珠洲市三崎町小泊(石川県)ゆるく丸い海岸に立つ灯台のあるところが能登半島最東端

 「引砂」とか「高波」とかいうちょっと気になる字地名が続く三崎の南端は「小泊」である。そこは能登半島のいちばん東の端にあたる部分で、大きく丸く突き出ている。 その出っ張りには、山などがまったくなく、平べったい。 高波と伏見の境界には、付近では大きく目立つ紀の川がある。流域の谷も明るく開けていて、平地も多い。 その中流域の二本松にある珠洲…

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1282 遭崎=珠洲市三崎町寺家(石川県)須須神社を中心としたこのあたり全体が三崎であり珠洲岬であり…

 前項の「金剛崎」のところでは、珠洲岬という表記も地理院地図では併記してあることにふれていた。それも、縮尺を大きくして半島の東端をみるときには、珠洲岬の名だけしか出てこないという、手の込んだことがされていたので、これにはきっと訳があるのだろうと思っていたら…。 訳は、やっぱりあったのである。 Wikipediaによると、珠洲岬にも諸説あ…

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1281 金剛崎(珠洲岬)=珠洲市三崎町寺家(石川県)行かなくて行けなくて正解だった“聖域の岬”

 禄剛崎にきたのはもうずいぶん昔、1998(平成10)年のことなので、今回も改めてあのずんぐり灯台のある岬に行くつもりでいた。が、結局それは果たせなかった。雨の中、時計を眺めながら岬へ向かう登り道の途中で、時間的にバスの時間に間に合うように、引き返さざるをえなかったからだ。 狼煙(のろし)という地域の名前が岬名になっていないのも、気にな…

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1280 シャク崎=珠洲市折戸町(石川県)その名も“岬自然歩道”というのがあったのでまたよけいなことを考えてみた

 70メートルくらいの崖とその先には岩島をともなうシャク崎は、海岸を回る道がなく、県道は岬の付け根を短いトンネルで通り抜ける。したがって、その岬の様子が眺められるのは、主に県道が折戸町の集落の海岸まで降りてきたときである。 堂ガ崎から登り始めた県道は、木ノ浦(バス停名は「の」だが、地理院地図では「ノ」)まで一気に登り詰めると、そこからは…

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1279 堂ガ崎=珠洲市高屋町(石川県)尖った出っ張りと小さく凹んだくぼみが連続する奥能登の北海岸に…

 鰐崎を過ぎると高屋町に入り、前方に小山と防波堤が見えてくる。小山は岳山という陸経島のようで、ジョイント部分に高屋の集落があり、その向こうが港になっている。 現在では高屋と折戸とふたつある狼煙漁港のひとつとなっているが、良港の少ない外浦では、北前船の貴重な寄港地、風待ちの港だったという歴史をもっている。 前にもふれたように、大きな縮尺の…

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1278 鰐崎=珠洲市馬緤町(石川県)「古事記」の「和邇」はアノ「ワニ」以外のナニモノでもないからして…

 鰐崎というのも、なかなかおもしろい名前である。昨日今日新しくついた名前でなければ、明らかにワニという動物を知っていて名付けたものだろうか。地理院地図で見ると、この岬から北東方向に二本の岩が突き出るように伸びており、あたかもワニの口のようにも見えるが、そうした上空から俯瞰する空撮技術も持たない時代からある名前だろうから、そういう形からの…

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