1038 赤崎鼻=長崎市北浦町(長崎県)港と港を結んで走る長崎バスに乗って長崎市街を縦断し半島の東側に出る

 時津の港から少し南へ歩いて、国道206号線と207号線が合流する交差点を越えたところから、茂木港へ行くバスに乗って、赤崎鼻まで一気にやってきた。長崎バスの路線に、そういうルートがあるのは、やはり街道筋の連携を意識しているのだろうか。  二十六聖人の遺跡もある長崎市の北部から、浦上・長崎駅を経て324号線に入り、山一つを越えて半島の東…

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1037 神崎=西彼杵郡時津町西時津郷(長崎県)ここが日本二十六聖人らの上陸をも見守った岬であればなにかいわれでも…

 長崎空港から乗った連絡船が、時津港に着くと、その桟橋の真正面に小高い丘が工場の間に浮かび上がってくる。この先っちょに神崎という名が付いている。そこはまだ西時津郷だが、すぐにある小さな掘割の南は浜田郷。白い大きな建屋が目立つのは、三菱電機の工場である。 この付近には公園や遊歩道などの整備がされていたようだが、もう完成したのだろうか。 で…

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1036 竜崎・恵美須崎=西彼杵郡時津町西時津郷(長崎県)“七工区”もあるここはいったいどこからみて「西」なのだろ…

 崎野ノ鼻を回りこんで時津の港に向かう船の左舷には、低くて長い岬がその西側の岸を見せている。そのなかに、竜崎と恵比寿崎もある。竜崎は、崎野ノ鼻を北側の海から眺めたときに、右端に飛び出て目立っている岬で、恵比寿崎はそこからずっと奥まった埋立地の端っこに引っ込んで目立たない岬である。 長く続くそこら一帯は、港のそばまで全部が、「時津町西時津…

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1035 崎野ノ鼻=西彼杵郡長与町斉藤郷・時津町西時津郷(長崎県)似ているようで違う二つの町を分ける岬を回り込む

 北側の海から見る崎野ノ鼻は、島のように見える。いくつも飛び出したでこぼこが、触手か何かのように見えるさまは、やはり航空写真のほうがおもしろいかといくつか試みてみたのだが、どれもいまひとつよくないのは、どうしてだろう。 地理院地図の写真は、この前の岬でも使ってみたが、ここも同じように海のつなぎ目が気に入らない。 GoogleMapは、比…

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1034 堂崎ノ鼻・馬込ノ鼻・橋詰ノ鼻=西彼杵郡長与町岡郷・斉藤郷(長崎県)歴史の波風も受けずにこれたのも地理的な…

 道路や鉄道のルートからこの地域に迫ってみたのに続いて、今度はその支配体制について振り返ってみる。そこで改めて認識を新たにしたのは、大村藩の領地の範囲とその存続の仕方についてである。 まずその範囲。旧大村藩の領地は彼杵郡(そのぎぐん・そのきのこおり)一帯で、北は佐世保市の南部から大村湾の東西(大村市・西海市など)を抱えて、長崎半島の大部…

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1033 小崎鼻・二見瀬鼻=諫早市多良見町佐瀬(長崎県)“たらみの「み」はミカンのミ”で多良見の岬もここまで

 「たらみ」という名は、ミカンより先にフルーツゼリーか何かで知っていたと前に書いたが、その会社の名がここ「多良見」からきているとは知らなかった。 この会社、この付近にもファームなどをもっていて、経営の変化はあったようだが、なかなか手広く事業を広げている。こういう、地場の会社が元気なのは、関係ないよそ者にもすばらしいことのように思える。 …

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1032 黒崎鼻=諫早市多良見町舟津(長崎県)鹿島と竹島をともなって飛び出た岬もとにかくどこまでもミカン山

 黒崎鼻のあるところは、伊木力川が流れる湾の北側に飛び出ていて、つい250メートルも先に、鹿島と竹島という島を従えているのか、従っているのか、相互の力関係、上下間関係は不明ながら続いている。このうち鹿島は、大小二つの島が細くつながっていて、竹島のほうは岩の無人島のようである。 黒崎鼻のすぐ北にあるのは、その小さく低いほうで、大きく高さも…

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1031 傘瀬鼻=諫早市多良見町元釜(長崎県)ミカン山が続く対岸には大村市の玖島崎も見えていて湾も静かに

 長崎街道は南に避けて通り、当初長崎本線も大村湾岸を迂回した長崎半島北部の山地は、最高点が現川駅の西にある標高506メートルの帆場岳で、さほど険峻な高山ではないが、なにしろ狭い陸地の中で奇妙に入り組んだ凸凹が続く。昔の交通手段でここを上り下りを繰り返して往来するのは、賢明でなかったことだけは確かだ。 旧多良見町の町域では、高いところで3…

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1030 梅崎=諫早市多良見町野副(長崎県)鉄道も道路も街道もなぜにそんなところを通っているかを考えるとおもしろい

 旧大草村、そしてさらにその後の旧多良見町の時代までは、東園名とか西園名とか野副名とか呼んでいた地域の一帯は、北と西と南を300メートルくらいのぽこぽこ山に囲まれている。東側だけ大村湾に向いて開けているから、盆地ではないが、周囲の山から流れ出す水流が幾筋かあり、それが入江の大半を埋めるに及んで、平地と集落ができたものだろう。 ここへやっ…

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1029 白岩鼻=諫早市多良見町東園・木床(長崎県)諫早市の西端で大村湾岸はまるごと全部が旧多良見町で…

 諫早市は、東に有明海に面し、南に天草灘に面し、西に大村湾に面している。残る北は海ではなく、山が隣の佐賀県と県境を分ける1,000メートル級の山脈が聳えている。諫早市の中心部は、東西の海からのちょうど真ん中で、南の海からもそう遠くないところにある。 この“諫早”という地名をなにによって最初にインプットされたかは、人によって違うだろう。結…

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1028 小崎鼻=諫早市多良見町木床(長崎県)長崎本線の北回り線の車窓から大村湾南岸を岬を拾いながら行く…

 長崎空港と玖島崎から南に続く海岸線は、その奥まったところまでが大村市で、大村湾が南東端で細く入江のようになっていく、そのどん詰まり付近からは諫早市になる。 時津行きの船が、玖島崎沖から西へ進路を変えるところで、その入江の奥まで見通せるというのが、地図上の理屈ではあるが、実際は今にも降り出しそうな空模様で、煙霧に隠れている。 南東方向に…

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1027 玖島崎=大村市玖島1丁目(長崎県)日本一たくさんの岬があるこの県にいよいよとりかかります

 「長崎県」と聞いて、なにを思い浮かべるか、それはどこの県でも同じように必ずしも簡単にまとめられるものではあるまい。出島、グラバー園、天主堂、平和公園の祈念像、カステラ、さだまさし、クールファイブ、ちゃんぽん、皿うどん、その他etc…アピールポイントには不自由しない。そしてもちろん、「ナガサキ」も「ヒロシマ」と並び称される歴史を共有して…

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1026 大崎=釧路市阿寒町(北海道)“帰りがけの駄賃”に延々バスに乗って立ち寄った阿寒湖で蘇る “まりもと写楽”…

 切手収集という趣味は、たいていが一度は手をつけるけれども、だいたいは長続きしない。小学生の頃から、家に来るわずかな手紙に貼ってある切手をはがして、それをノートに貼り直していたが、高校生になる頃やっと記念切手の発売日に郵便局の窓口で買うことを覚えた。だが、それから何年かして到来したブームとバブルで郵便局には行列ができるようになり、その狂…

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1025 トフケナイ岬=根室市幌茂尻(北海道)ここから西へは岬もない春国岱と風蓮湖になる根室市の北西部

 穂香の南西側に続くのは、幌茂尻(ほろもしり)の集落で、ここも小さな町並みと漁港と出っ張りをもつ。シロカラモイ岬のあったところよりは、もっとはるかに小さく目立たない出っ張りの南端には、トフケナイ岬がある。 岬といっても、ここは控えめに張り出した台地の一部に、ほんのわずかな突起のようになっているだけである。それは、車窓からも、人家などがな…

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1024 シロカラモイ岬=根室市穂香(北海道)クリルの土人も攻めてきたこの付近には7世紀頃に始まる擦文時代の遺跡も

 北東の端の北浜町から始まる根室市街地は、南西の端の西浜町で終わる。町に始まり終わりもへんだが、この岬めぐりの順番でいうと、東から西へ徐々に南下している。そこで、紅煙岬の次の岬は、一気に市街地を飛び越えて穂香(ほにおい)のシロカラモイ岬となる。 ここは、根室初日の遊覧バス「のさっぷ号」Bコースに乗ったとき春国岱から国道44号線を逆に走っ…

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